内容的にはマネジメント概要本。詳細なツールや手法についてはあまり深堀していない。
ただしマネジメントという知識体系を全体的に羅列・集合させており、特にマネジメントの領域・体系を「マネジメントドメイン」という名で括り、多くの隣接領域を複数受け持つのがマネジメントというロールだ、と定義している部分は、ロール・ポリシー(もしくは認証/アクション認可)というエンジニアがよく見るモデルと類似したものして書かれており、このあたりを明言したマネジメント関連の本はあまりなかったので助かるものだった。
この辺の似たような本だと、沢渡あまね先生の本がそれっぽい。こっちはこっちでプロジェクト主導(業務主導)組織よりも、運用・オペレーション主導の部門向きな感じがしたから、両方取り入れるというのが良いと思う。
マネージャーの問題地図 ~「で、どこから変える?」あれもこれもで、てんやわんやな現場のマネジメント
とはいえ「エンジニアはこの辺の知識領域知ってるだろうから、この辺の言語使ってもいいよね」や、「エンジニアが働く領域であるプロジェクトやプロダクトを中心に考えるとこうだよね」を前提とした文もあるため、万人にオススメかと言われるとそうでもない、という感触だった。でもエンジニアに勧めるなら間違いなくこの本一択だと思う。表紙に偽り無しの良書だった。